宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

『判断力批判』を読む 3)構成①:反省的判断力ⅰ

 10月になりました。涼しくなり、今日は夕方ザーと雨が降りました。こうして秋も深まっていくのかなぁ。それともまた暑さがぶり返して、その後一気に冷えていのでしょうか。秋の風情を楽しむ、という心持になりません。

 『判断力批判』の大まかな構成を捉えておきたいと思います。『判断力批判』は、大きく「美学的判断力の批判」と「目的論的判断力の批判」に分かれています。批判というのは、検討とか検証と捉えていいのではないでしょうか。そしてそれぞれが、分析論と弁証論に分かれています。目的論的判定は反省的判断力に属します。

 判断力は、「特殊を普遍のもとに含まれているものとして考える能力」(ⅩⅩⅤ)と言われます。そしてそれは規定的判断力と反省的判断力に分けられます。規定的判断力というのは、特殊を普遍(規則、原理、法則)のもとに包摂する能力です。これに対して、特殊だけが与えられていて、普遍を見出す判断力は反省的判断力と言われます。

およそ反省的判断力の責務は、自然における特殊から普遍へと昇っていくことである。それだからこの判断力もやはり一個の原理を必要とするが、しかしこれを経験から得てくることは出来ない。            (ⅩⅩⅦ.『判断力批判(上)』岩波文庫、1964年、37頁

 じゃあ、何処から得てくるのか。

                彼岸花の季節になりました。

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