宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

発達障害児への療育的ケア1)発達障害

 10日の雪予報は、今のところ雨で済んでいます。ただ、気温は低いので、夜は雪になる可能性が高いようです。12日に水戸へ行ったとき、日陰に雪が残っていました。13日から14日にかけてまた、雪が降る予報が出ています。

 2005年に発達障害者支援法が施行されました。この法律では、かなり広範囲に、発達障害が認定されました。それまでの認定は、精神遅滞や知的障害を伴う自閉症スペクトラム、筋肉の病気によっておこる筋ジストロフィー症や脳性麻痺によって運動に問題を抱える人たちでした。軽度の発達障害は、社会的に支援が必要な対象としては認められていませんでした。発達障害の診断名は医師がつけますが、診断に用いる診断基準や診断方法によってA医師とB医師で診断名が異なることがあります。診断名を付けなくとも、通所受給者証を取得すれば、公費補助で療育ケアを受けることが出来ます。受給者証は、市区町村の窓口で相談して、市区町村が療育の必要性を認めた場合に交付されます。

 では発達障害とはどういうものなのか。杉山登志郎さんは発達障害を次のように言います。

発達障害とは、子どもの発達の途上において、なんらかの理由により、発達の特定の領域に、社会的な適応上の問題を引き起こす可能性がある凹凸を生じたもの

          (『発達障害の子どもたち』講談社現代新書、2007年、45頁) 

 杉山さんは、本当は「発達失調」と書きたいそうですが、現在一般化している表現法をいじるのは、混乱を生じさせるとして、発達障害という言葉を使っています。

 障害という言葉は英語にすると、dis-ability、あるいは、dis-order、になります。dis-abilityは身体障害の場合に使われることが多いようです。能力を欠くこと、不可能を意味します。それゆえ失われた機能を補うこと、サポートすることが支援になります。知的障害は intellectual disability と intellectual disorder の両方が使われます。後者は「知的秩序の乱れ」の意味になり、変化する可能性があります。その場合の支援は、乱れを整えることや乱れが不都合をきたす環境を工夫することが、支援の方向性を示します。

 杉山さんは、発達障害の障害を dis-order として、「発達の道筋の乱れ」と捉えて「発達失調」と書きたいようです。

 子どもによって、developmental disorder と developmental disability が混在している場合もあり、一人ひとりによってその支援の方法が異なっていることを痛感しています。

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        市毛の常陽銀行に飾ってあった柴沼清さんの枝画

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