宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

療育について

 午後から雷雨の予報が出ていましたが、梅雨は明けた感じの今日の晴れ間。でもその後、やはり雷雨で、停電しました。お天気が悪いと、放デイの子どもたちも何となく調子が悪そうです。梅雨が明けると、暑さと体力の鎬の削り合いになりますが。

 療育というものがどういうものか、今一つ分かりません。決まった定義はないようですが、障害のある子どもたちの発達を促進して、自立して生活できるよう支援することのようです。

 療育という言葉は、東京大学名誉教授で整形外科医の高木憲次さん(1888-1963)が言い始めたもののようです。高木さんは、日本の「肢体不自由児の父」と言われる人で、肢体不自由児の自立のための医療と教育の並行を提唱しました。それをさらに発展させたのが高松鶴吉さん(1930-2014)です。高松鶴吉さんも整形外科医ですが、彼は療育の対象をすべての障害児に広げました。この療育という言葉が後に「発達支援」という概念を生み出し、厚労省は「児童発達支援」を次のように定義しています。

児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行 う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。

厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」2017年7月24日策定)

 児童福祉法の2012年改正によって、従来の障害種別に分かれていた施設体系が一元化され、未就学の障害のある子ども対象に、児童発達支援が創設されました。そして就学している障害児には、放課後等デイサービスが創設されました。創設されて日が浅いこともあり支援の形態は多種多様であり、支援の質のバラツキも指摘されています。しかしながら、障害を持つ子どもたちの健全育成を目指す支援である点は共通していると言えます。以下、2012年改正における放課後等デイサービスに関する厚労省文科省からの事務連絡(2012年4月18日)です。

放課後等デイサービスの対象は、児童福祉法上、「学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障害児」とされ、授業の終了後又は休業日に生活能力の向上のための必要な訓練、社会との交流の促進等を行うこと

  発達障害を持つ人が障害者の定義に含まれるようになったのは、2011年の障害者基本法改正以降のようです。

 発達障害を持つ人は脳に先天的な構造異常を持っていると言われています。ただし問題は脳の構造や機能の問題だけではなく、神経ネットワークの乱れも関わっています。

 発達障害には知的障害を伴うものと伴わないものがあります。知的障害はIQで分類され、100が標準で、70未満が軽度知的障害と位置づけられます。70から85がボーダーになります。知的には問題なく、コミュニケーション障害や関心に極端な偏りが見られる自閉スペクトラム症、集団行動が出来ない衝動性や多動、不注意を特徴とする注意欠陥・多動性障害ADHⅮ(Attention-deficit hyperactivity disorder)があります。

 学習障害は、それ単体で現れることはあまりないと言われています。自閉スペクトラム症ADHD(注意欠陥・多動性障害)などを伴うことが多いと言われます。知的には問題がないにもかかわらず、発達性読み書き障害や算数障害や聞き話し推論する広い意味での学習面での能力障害を言います。

  発達障害を理解する努力とともに、どのような未来を描いて療育に取り組むのか。それが問われます。

f:id:miyauchi135:20210712191755j:plain

           6月16日「はまぎくカフェ」の会場の飾り

h-miya@concerto.plala.or.jp