21日の「はまぎくカフェ」で「パプリカ」をみんなで歌いました。これからカフェの応援歌にしていきたいという趣旨です。私たちにできるように、スタッフの一人が振り付けも考えました。でも、最初は、皆さん歌うだけで精一杯。それも結構、難しかったです。
「パプリカ」がレコード大賞を取ったとき(2019年12月30日)、正直言って驚きました。Foorinという小中学生5人のユニットが歌って踊っていました。えー、これがレコ大、と思いました。でも、今回、自分たちのカフェの応援歌にしようと、歌ってみると、「雨はくゆり」とか「らるらりら」で引っかかって、上手く歌えませんでした。難しい、と思い、作詞作曲家を調べたら、米津玄師さんでした。道理で、と思いました。
米津玄師さんの「レモン」は、ドラマ「アンナチュラル」の主題歌でしたが、あまりにぴったりで衝撃でした。「夢ならばどれほど良かったでしょう 未だにあなたのことを夢にみる 忘れた物を取りに帰るように 古びた思い出の埃を払う」で始まり、無音の間があり、「戻らない幸せがあることを最後にあなたが教えてくれた」と続きます。ここの無音の間は、意識レベルが変わる間合いのように思います。ハッとする部分です。
「胸に残り離れない 苦いレモンの匂い」が2度、「今でもあなたはわたしの光」が3度出てきます。この印象的なフレーズと、1番、2番、でも次が変則的3番。これどうやって覚えるの?という歌です。楽譜で見た方が構成は分かるのでしょうが、詩に音が付いたような曲だなぁと思っています。
「パプリカ」も小節の最後の拍から次の言葉が始まったりして、それが歌う時難しさを感じさせます。「曲がり くねり はしゃいだ道」で始まります。一つひとつの言葉は難しくないのですが、言葉のつなぎ方に驚かされます。「雨に燻(くゆ)り」は意味というより音で取っているのかなぁと思います。
子どもたちが歌っているので、内容も子どもたちの世界のような気がしていましたが、文字化して読むと、思春期以降の歌ですね。「夏が来る 影が立つ あなたに会いたい」「帰り道を照らしたのは 思い出のかげぼうし」、そして「ハレルヤ 夢を描いたなら 心遊ばせあなたにとどけ」は3回使われています。これがキーコンセプトなのかな。
小節の最後の拍から次の言葉が始まったりする変則さが、逆に刺激的で単調さを防いでいます。懐かしさを感じさせるメロディーに、組み合わされている崩し。音に言葉を載せるやり方も一様ではなく、かといって無茶苦茶ではない。感性の言葉やリズムなのでしょうか。
曲名が果物だったり、野菜だったり。でも内容は人間の心の闇や切ない思い出を絡ませた応援歌。これもうまいなぁ。米津さんは漫画家志望だったそうです。映像への拘りはその辺りとも関わるのかも。言葉自体も映像的です。
2021年4月21日「はまぎくカフェ」の飾りつけ