宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

早すぎる死

 元同僚の方が亡くなりました。60歳になったかならないかくらいだったと思います。突然の訃報に、嘘でしょうと思いました。1月の半ば過ぎに会ったばかりでした。何年か前に私より若い研究者仲間が、当時50歳代前半で亡くなりました。そのときも、狐につままれたような気分になりました。簡単な日記をめくって、それが2011年の11月20日だったことを見つけました。

 思えば、2011年は激震の年でした。3月1日に父が亡くなり、7日が告別式、そして11日が東日本大震災でした。9月4日には尾田先生が亡くなりました。そのときは、夢中で乗り切っていましたが、今になって振り返ると、すごい年だったなぁと思います。

 元同僚も研究者仲間も早すぎると感じる死でした。途上の死。これに対して、80歳半ばを過ぎ体力に衰えを感じる方や、90歳を過ぎた方たちは「早くお迎えに来てほしい」と言います。

 私たちにとっての死は、早すぎるか遅すぎるか(感じ方の問題ですが)どちらかでしかないのだなぁと感じます。変な話、適切な死というのはあるのでしょうか。もう十分生きたから死にたいと思っても、死が即訪れるわけではなく、まだ死にたくないとその瞬間思っても引き返せるわけでもない。

 どのような死であっても、ホスピス医の徳永進さんが言っているように「感じるのは『その時を迎えましたね』という平等性くらい」ということなのでしょう。

h-miya@concerto.plala.or.jp