宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

晴れた日に

 今日はほぼ快晴の空。空の青さに叫びたくなるほど気持ちの良いお天気でした。海岸まで散歩して、マリンプールにたくさんの水鳥が集まっていたのを、スマホで撮りました。かなり距離があったのですが、カシャッという音に水鳥たちが一斉に飛び立って場所を移動したのに驚きました。

 最近読んでいる『複雑さに挑む 社会心理学』(有斐閣アルマ)の中に、感情は「野生環境」へ適応するために生物が進化の中で、完成度を高めてきた心の働きだ、という解釈がありました。例えば、野生環境では「恐れ」という感情に動機づけられて即逃げる方が、冷静に事態を分析し、自分の現状を顧みてどうするか判断し行動する、なんてやっているより、生き延びる可能性は高い、ということです。カシャ、で一斉に飛び立って場所を移動した水鳥たちを見て、なるほどなぁと思いました。

 さきの箇所には続きがあって、文明化した環境の中で「恐れ」の感情に基づく行動が起こるとパニックが生じるとあります。確かに、あの水鳥たちが、建物の中で、一斉に飛び立ったら、窓や天井にぶつかってしまうでしょう。窓が少し開いていたとしても、そこから整然と隊列をなして一斉に飛び出していくとは考えられません。

 パニック状態が生じたとき、もう少し冷静に行動すれば、とよく後から反省の言葉が語られますが、逃走することを導くことに恐れの感情の意義があったとするなら、そもそも無理な話です。

 「野生環境で獲得した感情という適応的プログラムは、次の進化が生じるだけの何十万年という時代を経なければ変わることはむずかしいでしょう」

 そうだろうなぁと思います。私たちも長い時間を経て進化してきた動物なのだということ、いろいろな能力を獲得してきた中で、現代人は、大脳新皮質に依存した生き方に価値を置きすぎているなぁと思いました。

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             驚かせてごめんなさい

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       夕暮れのジョイフル本多とファッションクルーズの屋上から

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