宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

認知症状って何なのか

 晴れ間が出ていると、部屋の中や車の中は暖かです。むしろ、少し厚着をしていると暑いくらい。でも、朝晩はすっかり晩秋から初冬にかけての寒さになりました。今日で11月も終わりです。

 現在の施設では、半日だけ運動に来ている方たちもいます。高齢者特有のリズムや人の名前や物事の名称がすぐに出てこないなどの共通性はありますが、それでも軽度認知症の症状が出ている方たちとは、接していて明らかに違いがあります。認知症状が出て来ても、人格がいきなり大きく変わるわけではありません。その人の同一性(いわゆる自己同一性)に亀裂やずれが生じる、という感じでしょうか。

 従来の高齢者の呆けというものはハードディスクの摩耗に関わるが、認知症状はCPUの不具合から生じると言われるようです。確かに、言葉の伝わらなさや常識の通じなさは、根本的に世界の共有が難しくなっていると感じさせられます。単に記憶の問題というより、判断力や世界を共有する力に問題が生じているという感じがします。

 外側はそんなに変わってはいないのに、どこか見知らぬ人になっている、世界を共有できない不思議な感覚を感じさせる。これは共通感覚の崩れの問題でもあるのでしょうか。認知症状を発症するとき、その人の中で、一体何が起こっているのでしょうか。

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