宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

ワーク・ライフ・バランス

 昨日(2月16日)東海村産業・情報プラザ(旧リコッティ)で、東海村男女共同参画事業「ワーク・ライフ・バランスセミナー」があり、聞きに行ってきました。光畑由佳さんが講師で、講演の題目は「子連れワークスタイルから見える『私らしい働き方』」でした。光畑さんは授乳服のモーハウス代表取締役と言えば、分かる方多いかもしれません。関心のある方は、東海村のホームページをチェックしてみて下さい。

 2005年に茨城県女性プラザ男女共同参画支援室立ち上げに関わったとき、光畑さんはすでに起業していて、県のアドバイザーもお願いしていたと思います。10年以上たっても、以前より女性が働き続けることを奨励しながら、環境整備が整わない現状に、「子連れワークスタイル」は新たな脚光を浴びているのかもしれません。

 講演後質問した若い女性が、光畑さんのやっていることを肯定した上で、ワーキング・ファーザーを奨励する方向をもっと促進してほしいと言っていたのが、印象に残りました。本来ワーク・ライフ・バランスは、働くお母さんだけの問題ではなく、仕事と生活を各自が調整できる社会を目指しています。子どもがいるいないに関係なく、働くことと生活することのバランスをどうとってゆくのか。

 働いて生活費を稼ぐことは、ある年齢になれば当たり前と私たちは考えています。ただ、今の社会は、一人前の稼ぎをしようとすると、生活時間が圧迫されてしまう。趣味や地域活動に割く余力がない、ということになりかねません。それでも仕事があればめっけもの。かつてパートは、大黒柱の働き手がいて子どもの手が離れた母親たちの働き方として普及していました。今や、夫婦二人で働かないと家計が持たない時代。ワーク・ライフ・バランスは切実です。

 しかし夫婦二人とも非正規労働という場合、企業に要求するワーク・ライフ・バランスは高嶺の花でしょうね。少子化問題は子どもを産み育てる世代の雇用や創業など、収入の安定をどうやって確保してゆくのか、そこを考えないと解決しないのだろうと思います。

 でも子どもが小さいから働けないのでなく、子どもと一緒に働く働き方もありというのが、(光畑さんの授乳服はそのためではありませんが)光畑さんのメッセージだと思います。無理と思ってあきらめず、自分たちの働き方を作ってゆく、それを周りが応援できる体制が作れないか。子育てを終えた世代も一緒に働き続けられる、そういう場の創設。生涯現役というのは良い言葉です。でも、じゃあどうするか。発想を変え、知恵を出し合いましょう。                        宮内 寿子

h-miya@concerto.plala.or.jp