戸板学園で非常勤をやっていたときの仲間と3人で、毎年恒例の食事会を新宿でしました。その後、2人と別れてから帰りの電車の時間まで余裕があったので、神楽坂を歩いて、ついでに天丼を食べて帰って来ました。もっと神楽坂的お店に入ってみたかったのですが、カフェ以外は何となく一人では入りにくく、天丼も食べたかったので、「天丼 てんや」に入りました。おいしかったです。
坂の途中に毘沙門天善國寺(日蓮宗)のお寺がありました。毘沙門天で、那珂市の一乗院を思い出し、一乗院は何宗だったのか気になり調べたら、なんと真言宗智山派でした。華蔵院と同じ宗派です。真言宗は弘法大師を開祖としますが、この智山派は新義真言宗の一派です。弘法大師空海(774-835)によって、真言宗の教義は確立されていましたが、その修行法に違いが生じて、分派していったようです。真言宗というと、高野山金剛峰寺と社会科では習いましたが、華蔵院の本山は智積院だと言われ、どういう関係かなあとずっと不思議でした。今回調べてみて、何となく概要が分かりました。でも複雑だなあ。
新義真言宗は、真言宗の中興の祖と言われる覚鑁(かくばん、1095-1143)に始まります。真言宗の最高仏は大日如来ですが、(従来の)古義真言宗では、真言を唱えるだけで、この大日如来が直接現われて教えを説きます。新義真言宗では、三密行(印を結び、真言を唱え、心を仏に向ける)によって大日如来が加持身となって(修行者と大日如来が一体化して)教えを説くと考えます。新義真言宗は和歌山県の根来寺を総本山としていますが、根来寺が秀吉によって焼き討ち(1585年)され、塔頭(別院)の一つ智積院が京都に移り、1600年に再興されました。新義真言宗はもう一つ真言宗豊山派(長谷寺)が有名です。
お寺は好きで、真言宗関連の智積院、東寺、長谷寺や室生寺にも行っていますが、金剛峯寺にはまだ行っていません。建物や雰囲気が好きなのですが、歴史的背景を知るとまた愛着が増した気がしました。 しかし、長い時間が経過しているんだなあ、と改めて感じます。弘法大師から覚鑁まででも、300年以上たっていて、現在までには1200年以上が経過しています。そりゃあ、中味が形骸化もするわな、ちょっとため息です。でも、哲学の歴史は紀元前からですから、頑張ってる方かな。