今日はひな祭りです。「うれしいひなまつり」を久しぶりに歌ったら、声が出ませんでした。えー、まずいです、これは。私は3番の最初の2行が好きです。
「金のびょうぶに うつる火を
かすかにゆする 春の風」
情景が目に浮かんできます。そして次のように続きます。
「すこし白ざけ めされたか
赤いお顔の 右大臣」
今まで考えもせずに歌っていましたが、右大臣ってどこにいるのかなぁと探しました。随身(護衛)の位置にいる向かって右側の人形のようですが、まず問題は二つあります。一つは、右大臣というのは、令制太政官の筆頭官職名です。護衛の位置にいるはずはありませんし、弓矢で武装した衣装を着ているはずがありません。ひな壇飾りの2段目に来ないとまずいわけです。4段目の人形に、右大臣の呼称は本当は間違いですが、俗称で使われているようです。
もう一つは、ひな壇飾りの左右は、お内裏様から見た左右に従って配置されるので、私たちの側から右に位置する人形は、左の呼称を持ちます。そこで、歌の中の右大臣は、正確に言うと「左近衛中将(さこんのちゅうじょう)」のようです。
いろいろ調べると面白いですが、でも「うれしいひな祭り」はそのまま歌っていて楽しいです。