宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

発達障害の子どもたちにどう教えるのか

 以前勤めていた放課後等デイ・サービスの研修会で、今の子どもたちは季節感を捉えきれていないという話になったことがあります。桜と春は結び付きそうですが、栗と秋が結びつかない、という例から。栗はスーパーに行けば、一年中手に入ります。キュウリも別に夏でなくても買えるし。

 発達障害の枠に当てはまる子どもたちが増えています。でも、発達障害という言葉は分かるようで分かりません。ただ、普通に勉強が分からないとか勉強が嫌いという子たちと、理解の質の違いを感じています。問題が分からないという子に、設問の意味や文章の意味を丁寧に説明していくと、ああそういうことですかという瞬間がきます。放デイの子どもたちだと、こういうやり方では理解を引き出すことができませんでした。もっと別の所での躓きがあります。その結果、文字が追えないとか、普通に思考力はあるのに、文字情報から内容理解へと結びつかないとか。

 計算に関しても、間違うのではなく、根本的に数の概念が入っていない感じがしました。「100円から50円引いたら残りは幾ら」が小学校高学年になって分からない。筆算をすると出来ます。手続きとして数を扱うことはある程度できますが、おそらく数字と量が繋がらない。これは、逆に教え方が分からない領域です。私も兆を超える大きい数や小数点以下ゼロが3つくらいになると、ピンときません。数字と実際の量がどのくらい結びつくかは、経験なのかもしれません。しかし、日常的に扱う量が数字と結びつかないとなると、単に経験の問題ではない気がします。

 発達障害という問題を抱えている子どもたちにどう教えていくかは、まだまだ、わからないことが多い領域です。

           2023年3月25日 佐川文庫の桜

            2022年9月26日 田んぼの彼岸花

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