宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

終活

 少し前から、年上の友人が「終活している」と言っていました。年賀状で、「今年が最後」という連絡をいただくことも増えました。そうかぁ、身の回りの整理しなければと思うようにはなっています。

 「終活」という言葉は、2009年に『週刊朝日』が連載を組んで以来、広く浸透したようです。私の場合は、身の回りの物品整理の段階ですが、いやぁ、確かにこれを残されたら、整理は大変。残されたものは、まぁ、どんどん捨てられるんだろうなぁ、とは思います。

 女性学を教えていたころの新聞記事の切り抜きを整理、というかほとんど捨てました。1990年代の日経新聞の記事が結構大量に在りました。鹿島敬さんが、編集局生活家庭部長をしていた頃でしょうか、女性労働問題をかなり取り上げていました。

 新聞記事の変遷も整理してみると面白いでしょうね。私が捨てられなくて残したのは、『フロイスの日本覚書』「第Ⅱ章 女声、その風采と衣服に関して」(中公新書)の部分のコピー。ヨーロッパの女性と日本の女性を比較する形で、書かれています。例えば、

1.ヨーロッパでは、未婚女性の最高の栄誉と財産は貞操であり、純潔が犯されないことである。日本の女性は処女の純潔をなんら重んじない。それを欠いても、栄誉も結婚(する資格)も失いはしない。

30.ヨーロッパでは夫婦間において財産は共有である。日本では、各々が自分のわけまえを所有しており、ときには妻が夫に高利で貸し付ける。

 ルイス・フロイスは、1532年、ポルトガルの首都リスボンに生まれています。彼は16歳でイエズス会に入会し、インドへ向かいました。1563年に来日して、信長の寵愛を受け、1585年に『日本覚書』を執筆しています。31歳で日本に来て、22年後に本を書いています。日本の女性に関する記述は、かなり正確ではないかと思いますが、ただその観察対象の範囲は限定されていたかもしれません。ヨーロッパと比較する形での叙述形式ですが、どうもヨーロッパの風習に関しては、16歳でインドへ派遣されているので、どの程度信憑性があるのか疑問視されています。

 読んでいる分には、ヨーロッパの女性より日本の女性の立場の強さが印象に残ります。

 こんなことしているので、終活の身辺整理は時間がかかりますね。

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      4月開校予定の小中一貫校「ひたちなか市立美乃浜学園

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