宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

はまぎくカフェ第3回

 新型コロナの感染が止まらない昨今。多世代サロン「はまぎくカフェ」の第3回目を、迷った末に、カフェタイムを省いて行いました。不織布マスクの着用を出席者の皆さんにはお願いし、歌ってくださった山本彩子さんには、ステージに登壇していただく形になりました。ほんとは、聴いている側と同じフロアか少しだけ段差を付けたステージが望ましいのですが、今回は高いところに上がって頂きました。

 素晴らしい歌声を聞かせていただきました。プロジェクターで映し出された、それぞれの歌と関わりの在る場所やオペラの場面、チャイコフスキー銅像なども趣深く、参加してくださった方たちも満足して帰って行かれました。

 山本さんが登壇して最初に歌ったのが、ミュージカル『マイフェアレディ』のなかの「踊り明かそう」でした。オードリー・ヘプバーンの映画を思い出しながら、彩子さんの声量豊かな歌声を聞いていました。

 次の曲はチャイコフスキーの「ただ憧れを知る人のみが」、続いてドナウディの「ああ、愛する人の」でした。「ただ憧れを知る人のみが」の原詩はゲーテです。『ウィルヘルムマイスターの修業時代』の中に出てくるミニヨンという少女が歌う詩の一つだとか。『ウィルヘルムマイスターの修業時代』を少年少女用の簡易版で読んだことを思い出しました。内容は、覚えていませんが。でもこの詩は素敵です。

 「ただ憧れを知る人だけが、私の苦しみをわかってくれるのです」で始まります。ドイツ語を読んで、懐かしいと思いました。対訳なしにはもうドイツ語は読めませんが、その音の響きとかを思い出します。

 第1部最後の曲が、モーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』「恋とはどんなものかしら」。伯爵の雑用係ケルビーノが歌う歌です。彼は、すぐに女性に恋してしまう思春期の少年です。女性のメゾ・ソプラノの人が歌うことが多いそうです。どの歌も、それぞれの文化的背景があり、それを知ると歌を聴く意味合いも変わってきます。でも、そこまで掘り下げていくのは大変なことですね。楽しみでもありますが。

 迷いに迷いながら、でもこういう時期だからこそやりたいと思い実行しました。換気や座席の配置、人数に気を付けながら、お茶タイムを止め、マスク着用の徹底での実施でした。彩子さんの歌に皆さんの身体が揺れているのを見、マスクを着けていても分かる集まった方たちの表情の明るさ、雰囲気の柔らかさに、スタッフ一同、嬉しく思いました。

 1月は、レクリエーションゲームと長めのカフェタイムを予定していましたが、今回は中止にしました。密にならざるを得ない企画ですし、密にならないとつまらない企画なので。

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