宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

小春日和に

 ここ数日、小春日和が続いています。今日も気持ちのいい晴れ。先月の25日から、土日だけ、また、介護系施設で働き始めました。施設によって微妙にやり方が異なるので、慣れるまでが大変です。今回もサ-ビス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ高住」です。高齢者の夫婦だけの暮らしや独居生活の一番の不安は、なにかあった時の対応だろうと思います。その意味で、サ高住にはずっと関心があります。ただ、現在、サ高住は特養化しているとも言われていて、実際、単に見守りだけというのは少ないのかもしれません。むしろ、地域で最後までどうやって暮らしていくか、そこをもっと底上げする必要があると思います。

 8日は久しぶりに生のピアノ演奏を聴いてきました。佐川文庫木城館で行われた「広瀬悦子 ピアノリサイタル」です。最初の曲はベートーヴェン(1770-1827)の「ピアノ・ソナタ第17番Op.31-2『テンペスト』」でした。ベートーヴェンが難聴に苦しんでいた時期(1802年31歳の時)に作曲されたものです。ベートーヴェンの苦悩とそれを越えようとするもがきが現れているような静と動の展開、劇的でかつ抒情性を持った曲です。第3楽章が有名ですが、通して聴くとその展開にやはり納得(変な言い方ですが)します。広瀬さんは最初少し緊張している感じがしましたが、どんどん乗って行った感じで、アンコールで弾いたモシュコフスキーの「カルメン」は凄かった。演奏家の緊張に聴衆も呼応して会場が一体化する緊迫感は、やはりいいものです。音楽が生まれ出てくる「瞬間」を感じます。

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