何気なく見始めて、面白くて、U-NEKSTで残りの回(第13話から第16話まで)を見ました。ロマンチック・コメディですが、時代背景は李氏朝鮮時代。フュージョン時代劇の分野に属するそうです。フュージョンとは二つ以上のものを融合するという意味で、韓国では根付いた言葉だとか。
史実ではないようですが、参考にしているのは、第16代王仁祖(在位1623-1649)の長男昭顕世子(ソヒョンセジャ)ではないかとも言われます。この辺り、よくわかりませんが。李氏朝鮮は李成桂が高麗王朝を倒して、1392年に建国し、1910年まで500年以上続いた王朝です。豊臣秀吉は2回にわたって、朝鮮に出兵しています。1592年から1593年の文禄の役と1597年から1598年の慶長の役です。これはずっと不思議な戦争だなと思っていたものですが、動機に関して諸説あって定まっていないようです。
筋自体が面白くて見ましたが、第15話と第16話の殺陣シーンが凄かったです。世子ユル(ド・ギョンス)と義父であり朝廷の重臣であるキム・チャオン(チョ・ソンハ)のスピード感のある殺陣。第15話で、ユルがチャオンの刀を身を沈めて後ろへと滑り込んで避けるシーンなど、アクロバティックな動きに、見入ってしまいました。かつて『朱蒙』を見たときも、ソソノ(ハン・ヘジン)の殺陣シーンの美しさに見惚れました。
護衛官たちの衣装や所作もかっこいいなぁと思いながら見ていました。まあ、史実は確認できないし、時代的に行ってもそれほど彩色された衣装はなかったとも言われているので、これも史実の再現として見ない方がいいようです。というか、見ている人たちはそういう部分気にしていないのでしょう。韓国では時代劇を史劇と言うようですが、過去を舞台に現代を描いている、とも言われるようです。
韓国と中国、近くて遠い国。一時期、香港映画に嵌っていたことがありました。1980年代誕生した香港ノワールですが、私が香港映画を見ていたのは、2000年の頃です。アンディ・ラウやトニー・レオン、レスリー・チャン、レオン・ライの映画を片っ端からDVD視聴していました。そして辿り着いた香港ノワール。私には『男たちの挽歌』シリーズは少しきつくて、『インファナル・アフェア』の方が好きでした。その時期に、中国の映画や韓国の映画も借りてきて、DVDで見ました。あの頃から比べると、韓国の映像は、洗練されたような気がします。
現実にはいろいろ摩擦がありますが、映像の面白さは、そういうことを忘れさせます。第2次世界大戦のとき、野球やジャズが大好きだった人たちの思いも、恐らく同じなのじゃないかと思います。