宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

「生老病死」と遊び

 明日から八月です。七月はあっという間に過ぎた感じがします。

 久しぶりに会う女友だちとお茶を飲みながら、知人たちの情報交換をしました。老いを深めていく知人たちの在り様に、感慨深いものがあります。仏教の生老病死しょうろうびょうし)という四苦の教えのうち、老いる苦しみを考えます。でもそれが欲望から来ていると言われると、意欲を失うことが生きる気力を失っていくことでもあるという側面と思い合わせて、まだうまく了解できません。

 「老いるとは楽しむこと、耐えることではない」というブロンウィン・ビショップさんの言葉の方が、今は納得できます。ニーチェは仏教の思想に高い評価を与えましたが、肯定はしませんでした。仏教的な諦観を受け入れなかった。消極的ニヒリズムと捉えました。この辺り、私にはまだまだ解釈しきれないものがあります。

 ここに遊びの思想を入れたときどういう風になっていくのか。人間存在の本質は遊びと深く関わると考えるとき、人間存在の本質としての「苦」という解釈はどう関わっていくのか。これから少しずつ、考えていきたいと思っています。

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