宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

ダイバージョナルセラピー(DT)

 千葉県看護協会の「第38回認定看護管理者教育課程ファーストレベル」の統合演習Ⅰで、相手に伝わる文章表現について、2回に亘って授業しました。授業は楽しかったです。受講生が、看護師としてのキャリアが皆さん15年くらいはある方たちなので、問題意識を持って学びに来ていました。

 統合演習Ⅰの後半部分を担当される先生から、社会福祉法人ユーカリ優都会の「福祉の街づくり」構想とその展開の状況を教えて頂きました。佐倉市でなかったら、早速見学に行きたいと思いました。ユーカリ優都会の環境に触れたいというだけでなく、そこで行われているダイバージョナルセラピーの取り組みに惹かれたからです。

 ダイバージョンは「気分転換・気晴らし・道をそれる」という意味です。ダイバーシティは多様性、盛んに言われている言葉ですが、ダイバージョナルセラピーという言葉は初めて知りました。「老いるとは楽しむこと、耐えることではない」といったのはオーストラリア連邦政府・高齢者ケア省(1998年当時)のブロンウィン・ビショップ大臣でした。彼女が当時書いた、オーストラリアの高齢化への国家戦略の趣意書の最後の一文だそうです。

 人生の最期の理想は、ニーチェの「遊ぶ子ども」ではないかと思い始めた私にとって、このオーストラリア生まれの、レジャー・レクリエーションを通して幸福感を導き出し心身の機能を回復する手法は、これだという思いを抱かせました。

 介護の現場でレクの持つ力は実感しています。私自身も楽しくなるし、利用者さんも楽しんで積極的に活動します。ともあれ、介護の場では楽しさの持つ力をもっと活用する必要があると思っています。

h-miya@concerto.plala.or.jp