宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

ひたちなか市民大学:ネットワーク技術

 

 昨晩は、ひたちなか市民大学の開設講座「ネットワーク技術 中級・上級」の初日でした。テーマは「メールの仕組み(1)【電子メール】メールはどうやって届くのか」です。50名募集に89名が応募し、茨城工業高等専門学校側が大教室を提供してくれて、全員受け入れてもらえました。女性の受講者も多かったです。私より年配の女性が、最前列に座っていました。担当者は小飼敬先生。小飼さんは、高専助教で、ソフトウェア工学が専門です。自分のやっていることが好きだということが、説明や質問への応答によく出ていました。とても丁寧に応答してくれていました。

 初回の話では、電子メールの仕組みをメール送信とメール受信に分けて、わかりやすく解説してくれました。初めに、電子メールの画面が表示され、Cc(カーボンコピー)やBccブラインドカーボンコピー)欄の扱い方に質問が出ました。Bccで一斉配信したいとき宛先をどうするか? 自分のメル・アドを入れればいいそうです。Bccで受け取った人の画面はどうなっているのか? Bccで受け取った人の画面からもBcc欄は消えています。私も全員返信で返すと、Bccの人に届くかどうか疑問でしたが、それは届かないとのことでした。受信者のメールからは、Bcc欄のアドレスは消えています。Bccの人の場合も同様。自分のメル・アドが表示されていないことで、Bccであると了解するということです。届くのにメル・アドが消去されるというのは、どういう仕組みなのかなと思います。

 電子メールのやり取りで、全世界共通の取り決め(プロトコル)がTCP/IPです。このTCP/IPは、役割ごとにプロトコルが層に分かれています。今回の話にかかわるのは、アプリケーション層で、メールの送信にはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)というプロトコルが使われています。このプロトコルに従って、メールはメールサーバ間を転送されて、メールボックスに届きます。

 このSMTPでのやり取りの流れは、5つのコマンドを使います。私は、1985年頃にパソコンを使い始めましたが、その当時はMS-DOSでコマンドを書いていました。なんか思い出してしまいました。SMTPの部分は、TELNETをOnにすると見えるようです。小飼さんが実際に、コマンドを使ったメール送信のデモンストレーションをしてくれました。メールデータはヘッダと本文に分かれますが、ヘッダ部分が長いです。ただし、内容自体は簡単で、要は面倒くさい。

 パソコンのOSが現在使っているような簡単に起動できる形になる以前、パソコンは普及しないだろうと言われていました。それが今や、スマホを小学生も操れる時代になっています。その分、問題も出て来ています。原理を知らないままに、簡単にネットを使えることで、思わぬ犯罪に巻き込まれてしまいます。SMTPは簡単なので、悪意のメールを送り続けることもできますが、ただそれはReceivedの部分を覗くと、発信元コンピュータを特定できます。知っていれば対策を練れる訳です。

 メール受信に関してはPOPIMAPというプロトコルを使います。POPによる受信では、メールクライアント(メーラ)がメールを取得すると、メールサーバのメールボックスからメールは削除されます。IMAPによるメール受信では、サーバのメールボックスに保管されているメールが、メーラに同期されるので、メールはサーバのメールボックスに保管されます。

 受信したメールデータに注目してみると、いろいろな制約を解決するのにMIME(Multipurpose Internet Mail Extension)という規格を使っています。その制約とは、電子メールでは英数字といくつかの記号(ASCII文字)のみを扱うということです。日本語とか写真、バイナリデータ(パソコンが理解できる形のデータ。人間には文字として読めないデータ)を送るときに、ASCII文字との相互変換に使われるのが、MIMEです。これも写真を送るデモを見せてくれて、そのメールのソースをのぞかせてくれました。写真のMIMEによる変換部分には、厖大な訳の分からない文字がダ~と出てきました。

 メールの本文を私たちは読んでいますが、メールには見えないヘッダ部分があって、このヘッダに転送情報やMIMEなど普段表示されない情報がいっぱい書かれているということです。初回は、何とかクリアかな。次回は、「【フィルタリング】メールが届かないのはなぜ?」です。最終回まで、何とかついて行きたいなあ。

h-miya@concerto.plala.or.jp