宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

[JG83」――女性議員倍増めざして

 女性国会議員を倍増させようと女性団体や有識者が呼びかけたキャンペーンが、23日に始まったそうです。来夏の参院選候補者の候補に、野党統一候補として、政党に売り込むことを目指しているとか。政治の分野における女性の少なさは、何とかしなければならない緊急の課題の一つだと思います。

 と同時に、女性が増えることで何が期待できるのかも具体的に語られる必要があります。短い新聞記事には、推薦者3人以上で本人が立候補を了承していること、10数項目のアンケートで考え方を確認し、①安全保障法制廃止②原発再稼働反対③選択的夫婦別姓に賛成―に同意していることを条件とする、としか書いてありません。

 これでは男性候補者との差別化はできない気がします。同じテーマを扱っても差異があるからこそ、女性が必要だと言えないとまずいのではないでしょうか。確かに、それよりもまず、アファーマティブ・アクションとして数を増やすことが必要という考え方にも、もちろん意味があります。その場合、どうしても現状での課題を、現状の多数派である男性の目線で語ることになると思います。そこで女性をあえて候補者として選ぶのはなぜか? 肯定的差別の意味合いでの改善措置、ポジティブ・ディスクリミネーションの立場に立てば分かります。私はこれもありだと個人的には思っています。

 ③に関しては、女性の方がその問題性を捉えている(96%以上の女性が婚姻届けで自分の姓を変更しているという状況)ということはあります。しかし①と②に関しては、むしろ「なぜ?」あるいはどういうスタンスで、ということを問題にしないと有権者に訴える力が弱いのではないでしょうか。                宮内ひさこ

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