宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

「杜の仲間たち」(地域支え合い活動 in 東海村)

 昨日、東海村内宿一区集会場で開催された「杜の仲間たち」の集まりを覗かせていただきました。地域支え合い活動(介護予防)事業として、全員参加型の運営で行われています。

 活動は11月は12回予定されていて、昨日で6回目が実施されました。5回目は公的行事のために中止されています。会員は100名を超えているとか。班も5班か6班作られていたと思います。それぞれの班が、交替で担当して、お茶当番や会場の設定を受け持ち、男性もお茶出しをして参加していました。70代の男性がお茶当番するのは、本当に全員参加型なのだと、感心しました。

 昨日の集まりでは、体操や童謡を歌ったりゲームをするグループと、マージャンをするグループに分かれていました。午後1時から4時半くらいまで開かれているようで、途中でお茶休憩があり、そこで皆さんはおしゃべりを楽しんでいました。30人以上の方が参加されていたと思います。男性と女性の比率は、1対2くらいでしょうか。男性陣はほとんどマージャンをしていました。卓球をやる会もあり、また手芸講座や木目込み講座をやる会もあるようです。講師は会員が担当。

 会計を担当し、立ち上げの中心的存在の女性からいろいろお話を伺いました。民生委員としての活動の中で、新潟県長岡市の地域支え合い事業を視察して感銘を受けた話も伺いました。

 長岡市には「ともしび運動」の長い歴史があります。これは昭和26年に設立された社会福祉協議会が中心になってきました。「ともしび運動」としてのスタートは、昭和63年で、運動を支える市民参加型基金として「ともしび基金」が作られています。報告書を見てみると、例えばご近所・地域のつながりを作っていくためにどうするかということを、取り組み主体を地域(住民)、地域の行政単位としての活動、市、というレベルに分けて細かくその事例や実施事業を挙げています。

 住民同士の挨拶や会話、会話による情報交換、地域行事への積極的参加、そういう住民が集まれる機会づくり、公民館(コミセン)等の維持管理、地域や住民主体の活動支援、コミュニティ活動の推進などが取り組み内容として挙げられています。

 地域による取り組み例には、個人や商店など事業所の職員による日常の見守りもありました。そして市の側からは、高齢者を見守る応援者に、「シルバーささえ隊」のステッカーや機関誌などを配布して、「シルバーささえ隊」を普及啓発をすることで対応しています。また、市の職員が、(コミュニティカフェのような)地域の集まりに出向いていって、地域ごとのニーズを聞きとる、というような施策も提言されています。

 家族規模が縮小している現在、地域で最期まで暮らしていくためには、地域の支え合いのシステムを作る必要があります。みんなそれが必要だということでは合意するのですが、じゃあどうするか、というところで足踏みします。まぁ、行政が何とかしてくれるんじゃないか、施設でお世話になればいいんじゃないか、元気なうちは自分たちのそれぞれのやり方で楽しんでおこう、となります。

 「杜の仲間たち」を立ち上げたメンバーの中心的存在の女性が、定年後の人生をそれぞれに謳歌されて、「70歳代後半になって行動範囲が縮小されてから、地域の方々との交流は大変難しいように思います」とおっしゃってました。これは、その通りだろうと思います。いきなり地域の人たちと一緒に、と言っても、それまで共に過ごしながら関係が築かれていないと、特に年をとるほどに、それまでの自分なりのやり方や感じ方を調整していくのは難しいと思います。

 楽しみながら、身近にいる人たちと関係性を築いていくことは、生活の安心や心の安定に重要だと思います。時間をかけながら、少しずつ、そういう地域になるように何ができるか、考え行動して行けたら。

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                   散歩していて見つけた菊

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