宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

根津美術館

 28日の土曜日、東京で集まりがあったので、その前に根津美術館に行って来ました。ずっと行きたいと思いながら、何んとなく行きそびれていました。美術館の場所が南青山で、私がよく行くのがお茶の水や池袋界隈ということもあって、行く機会を逸していました。今回は、何としても行こうと心を決めて行きました。やはり行ってみて良かったです。

 企画展は「美しきいのち―日本・東洋の花鳥表現ー」でした。「美しきいのち」って何だろうと思いながら、見て回りました。日本・東洋の花鳥表現という副題がテーマなら分かり易いのですが、面白みに欠けます。そのまんまなので。花鳥画は東アジアの絵画の主要なジャンルの一つです。そして、現代ではスケッチを意味する「写生」という言葉は、花鳥画における対象の観察とその形態や生態を写し取ることを意味したそうです。写生の生とは花や鳥の生で、それを写しとること、花鳥表現というのは、まさにいのちの美しさを写し取ることだったわけです。

 展覧会では、中国と日本の花鳥表現の展開を提示していました。私は、同時開催の「刀装具―驚きのわざ」に見入ってしまいました。国内最大級という光村コレクションの刀装具の縁頭が沢山展示されていました。

 縁頭は柄頭とも言います。柄は刀の持ち手の部分です。その先端部分が頭で、鞘側が縁です。柄の強度を高めるための装具ですが、刀装具の中でも目立つ位置にあるので、刀の所持者の家紋などが取り入れられたそうです。小さな一対の刀装具の美しさ。武器であるのになんてきれいなのだろうと、見惚れてしまいました。

 根津美術館は、根津財閥の初代根津嘉一郎の古美術品コレクションをもとに、邸宅を改装して、1941年に開館しました。美術館は四季折々の庭園の美しさでも知られています。庭を全部見て回る時間がなかったのが残念です。

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            美術館入り口までのアプローチ

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                  心そそられる屋形船

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                    庭園から見た美術館

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