宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

「ふくし職慟」

 12日と15日に茨城県福祉人材センター主催の「ふくし職慟」講座に参加しました。12日は「排泄の仕組みとオムツの使い方」、15日は「移動・移乗介助」でした。両方とも、なるほどがありました。

 「オムツの使い方」では、どういう風にあてることでピタッと収まるか、納得しました。ただこれは、何度も実際にやって習得していく部分が重要で、講座でやって何とかなったから大丈夫ではありません。それにしても、子どものオムツ、ちゃんとあてられていなかったなぁ、今更ですが。

 15日の「移動・移乗」も目から鱗でした。基本は利用者さんの状態やそのときの道具等の状況に合わせて動くということでした。講座では、軽度の介助で済む人の例で実践しました。その人に残っている力を使いながら、ベットから車イスへ、横にスライドするように移乗を助けるというやり方です。ただし、介助者側がその動きが苦手な場合は、従来教えられているような、立ってもらってから、向きを変えて車イスに座ってもらってもいい。

 ただどちらの場合でも、利用者さんの足の間に介助者が足を入れるのは止めた方がいいことを教えてもらいました。介助者の外側に利用者さんの足が残ってしまうと、残った側への配慮が欠ける可能性が高い。これはその通りです。それと介助者の足先の向け方も、不必要に体をひねらないように、片方は移乗するイスの方向に向ける。

 身体の使い方が理に適っているほど、利用者さんも介助者も負担が少なくて済みます。講座では2人一組でやってみましたが、現場では利用者さんそれぞれの状態に合わせて動く必要があります。ポイントを押さえた上で、これも身体で覚える必要があります。

 現場では忙しさもあって、何とか凌いでしまうと、対応回数が少ないものは忘れてしまって、振り返って教えてもらうことができていませんでした。しかし自分の中に、疑問が溜まって行く感じはありました。対応回数が多い場合でも、基本的なことを整理して学ぶ機会は、自分で見つけないとありません。

 座学だけだと、おそらくそれらの知識は意味が分からないので定着しなかったろうなぁとも思いますが、実践だけだと疑問が解決しないままになってしまいます。この辺りのバランスの難しさを感じます。シュタイナー教育の理念の一つに、頭から入ったものは身体へ、身体から入ったものは頭へ、というのがあります。私たちが生きるということは、本当にそういう全体的な行為なのだと思います。

h-miya@concerto.plala.or.jp