宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

芸術を味わう?

 大坂なおみさんがテニス全豪オープンで、チェコのぺトラ・クビトバさんを破って優勝しました。テレビでの解説もかなり盛り上がっていました。スポーツにおける上手い・下手は、門外漢にも割に分かり易いです。少なくとも試合であれば、勝ち負けがつきます。でも芸術の場合はどうなのでしょうか。

 昨日(25日)、佐川文庫・木城館でのコンサート「前橋汀子 カルテット」を聴いてきました。曲目は「ベートーヴェン弦楽四重奏曲第8番 ホ短調op.59-2」と「ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調op.131」の2曲でした。どちらも私は初めて聞く曲でした。これをどう評価していいのか、はっきり言って分かりません。でも、集中した心地よい音の空間が生み出され、聴衆も演奏家もボルテージが上がっていたのは感じました。上手いとか下手とかと言うのは、何なのでしょうか。絵画を観ているときにもそれは感じます。小説は、自分なりに評価ができる気がします。この違いは何なのでしょう。

 中島敦の『李陵』を読んだとき、その上手さにうなりました。無駄のない言葉の選び方とそれが生み出す世界。小説に関しては、内容自体の良し悪しは読後感として分かります。解説も自分なりに構成できます。映像に関しても自分なりに評価し、解説もできる気がします。でも、音楽や絵画や彫刻・焼き物、演劇や能・歌舞伎の類に関しては、好き・嫌いは言えても、とてもとても評価も解説もできません。知識もなく、訓練もできてないから? こういう世界がもっと味わえるようになったら、楽しくなるでしょうね。

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             1月25日 木城館でのコンサート会場から

h-miya@concerto.plala.or.jp