宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

入管法改正問題

 昨日、農業大学校での8回の授業が終わりました。社会心理学という科目で、主に人間関係、コミュニケーションの問題を扱いました。農大生は、コミュニケーションを苦手とする学生が多いです。試験レポートで、授業で扱った内容で関心を持ったものについて書いてもらったら、エゴグラムを作成して行った、自己認識と他己認識に関わるワークが面白かったという学生が多かったです。

 茨城の農業の現場では、外国人の技能実習生が大きな役割を果たしています。ただしいろいろな問題が農業分野だけでなく他職種でも出てきています。政府はさらに外国人の労働力を広範に受け入れることを目指し、現国会で入管法改正案が審議されていますが、与党は今日中にも参院での成立を目指しています。

 学生たちは、卒業して農業関連の法人に就職したり、自分の家の農業を継ぎます。それは、直接的にこの問題と向き合っていくことを意味しています。私が現在働いている介護の現場にも、外国人労働者がさらに参入してくる事態が起こってくるでしょう。人手不足がもたらしている事態ですが、現場では人と人とが関わります。介護の現場では、言葉が異なり、日常的習慣や慣習が異なる人間同士が、「生活支援」をめぐって関わる。日本人同士でも人間関係に対立は付きもの。さらに外国人労働者との日常的関わりの中で生じるであろう対立を、どこへどういう風にソフトランディングさせるのか。

 対立管理は「共同」で解決することが最も望ましいといわれていますが、共同できるためには信頼関係が必要になります。それをどういう心構えで築いていくのか。

 現在の80歳代以上の方たちは、戦中・戦後の大変な時代を生きてこられましたが、今また、私たちは別の大変な時代に突入しているのだなぁと思います。

h-miya@concerto.plala.or.jp