宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

技術か性格か

 ここのところ、病院通いが続いています。身体のメンテナンスの時期なのでしょう。5日に右下の親知らずを切開抜歯、11日に左肩の石灰沈着腱板炎を診てもらいました。今日、親知らずの手術の抜糸をしてもらい、ひとまず親知らずの治療は終了。2007年に左下の親知らずを抜いたときは、2時間半かかり、死ぬ思いでした。今回は、抜歯自体にかかった時間は10分。えー、あれは何だったの、と思いました。後でネットで調べたら、親知らずの抜歯はかなり難易度の高い手術で、技術の差が出てしまうとありました。

 ふと『ドクターX』を思い出しました。「私失敗しないので」が口癖の彼女は、手術にあたって、あらゆる想定をして対応策を練っていました。性格に難あり、というキャラですが、でも真っ当と言えば真っ当なことを言っています。

 よく「性格が悪くても腕のいい歯医者にかかりたい」と言われますが、本当は両方欲しいところです。頭の良さや腕のいいことと性格の良さは、必ずしも比例しません。でも、ここでいう性格の良さとは、何を言っているのでしょうか。人当たりの良さのことでしょうか。極悪人に、自分の口の中をいじられることを許可する人はまずいないと思います。プロフェッショナルとしての倫理観を持っていることは、当然のことと前提されているわけです。そう考えると、性格か技術かの問題の立て方は、要はコミュニケーション能力か技術かということなのだろうと思います。

 技術者は、技術があってなんぼのもの。コミュニケーション能力はあった方が、本人にも周りにも望ましいでしょうが、基本はプロフェッショナルの自覚と技術だろうなあ。誤解のないように言っておけば、今回抜歯してくれた先生は、丁寧で親切でしたよ。

h-miya@concerto.plala.or.jp