宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

高齢社会の「仕事」を思う

 レッドコードを使ったエクササイズがあります。体幹を鍛えると言われていますが、私自身はやったことがありませんでした。身体を吊るした状態で、余分な力を入れずにいろいろな角度の運動を行えます。筋肉の張りや痛みを軽減して、過緊張状態の改善につながります。続けることで、筋力増強効果もあるようです。

 認知症フロアの利用者さんにも使ってもらおうという話になり、急きょ使い方を習って、利用者さんの前で掛け声をかけながら指導することになりました。冷や汗ものですが、もちろん初歩的な使い方なので、それなりに形はできていたようです。もっと上手にならなければと思っています。でも、レッドコード、仕事がらみでなければやらなかっただろうなあ。

 仕事って何なのだろうと考えています。高齢社会になって、勤め人は定年退職後の、まだ健康に活動できる時間が結構長くなっています。特に仕事を生活の基本に据えてきた人にとって、毎日が日曜日はどういうものなのでしょうか。

 仕事は、根本のところで「好き」がないと続かないかもしれませんが、日常的には合理的なものです。他者からの要求や、事柄の必然性で動いています。仕事でなければ向き合わないであろう諸々のことがあります。何をすべきかは自然に決まってきて、自分が面白いと思うからやるとか嫌いだからやらないという対象との向き合い方とは、少し異なっています。やらざるを得ないのでまず始め、面白さを感じるようになることは多いと思います。

 こういう物事への向き合い方は、仕事でないと難しい気がします。本人の性格もありますが、苦手意識や(やっても面白くないだろうとか、意味がないだろうとかの)負の評価があると、制約がない時はまず手を出しません。私のレッドコード体験はまさにそれです。やってみると、腰が伸びた感じがして、少し腰痛が軽くなった気がしました。

 年とともに、だんだん新しいことに手を出すことが億劫になっていきます。その意味で、仕事は否応なしに挑戦する機会を与えてくれているとも言えます。まあ、レッドコード、あまり無理でない範囲で続けようと思いましたが、高齢者対応の使い方は私自身にとっても益があると分かりましたので、少し頑張っちゃいそうです。

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          見にくいですが、レッドコードを使った動きです。

h-miya@concerto.plala.or.jp