宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

マズローの欲求5段階説

 土曜日に弘道館公園へ行ったら、梅が見ごろでした。それから病院へ行って、母としばらく話をして帰って来ました。病気になったり、高齢で介護を必要とするようになると、マズローの欲求5段階説を実感します。

 アブラハム・H・マズロー(1908-1970)はロシア系ユダヤ人の子として、ニューヨーク州ブルックリンに生まれました。マズローは、人間の欲求は層構造をなしていて、低次の欲求が満たされることで、次のより高次の欲求に向かう動機づけがなされると主張しました。人間の欲求は下から、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊敬(承認)欲求、自己実現欲求からなると言われます。

 生理的欲求は、生命維持に必要な基本的欲求です。食欲、排泄欲、睡眠欲などですが、これが満たされると次の段階への欲求へと動機づけられると言うのです。安全欲求は、衣食住を整えることを目指します。社会的欲求とはコミュニケーション欲と言えるでしょう。人と交わりたいという欲求です。

 社会の中に所属の場が出来ると、そこで認められたい、尊敬されたいという承認欲求に進みます。この欲求は人間の成長や進歩に大きく関わります。ただし承認欲求は、頭ごなしに人を仕切るやり方としても、現われる気がします。承認欲求には、かなり個別性が刻印されているのではないでしょうか。

 そして最後が、自己実現欲求です。自らの独自性の開発・実現の段階。自己実現という言葉は、心理学や精神医学の分野で、人間の理想的発展を表現するときに多用された言葉の一つです。

 この自己実現ユングは個人化(個性化)とか固体化と言いますが、唯一無二の自己になっていくという考え方は、直感的には分かりますが、その実、考えていくと難しいなあと思います。社会の中でバランスをとりながら、自らの感じたことや考えたこと、あるいは自分の力を行動に移すことを続ける過程が、そのまま自己実現ともいえる気がします。 

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          3月10日の弘道館公園の梅

h-miya@concerto.plala.or.jp