宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

奈良希愛 ピアノリ・サイタル

 11日夜、佐川文庫木城館での「奈良希愛 ピアノ・リサイタル」を聴いてきました。奈良さんは、故中村紘子さんが音楽監督を務めていた浜松国際ピアノアカデミーの第1回生でもあります。プログラム最初のリスト「愛の夢」は、中村さんに捧げるショパンエチュード25-1」に変更されました。後半でパデレフスキの「伝説第1番」、そしてアンコール曲でもパデレフスキ(1860-1941)のメヌエットが弾かれました。パデレフスキの名前、寡聞にして知りませんでした。パデレフスキは、晩年、ショパン全集の編纂に携わり、日本でも2016年4月に中村紘子さんが中心になって「日本パデレフスキ協会」が発足しています。

 パデレフスキはポーランドのピアニストですが、ポーランドの初代首相を務めたことでも知られている人です。1922年には政治の道から引退して演奏活動に復帰し、素晴らしい成功を収めました。1939年ポーランド祖国防衛戦争の後、パデレフスキは国政に復帰し、1940年にはポーランド亡命政府の指導者になり、ポーランド回復基金を発足させ演奏活動を行います。その演奏旅行の最中、1941年6月29日に、ニューヨークで亡くなりました。亡きがらはアーリントン墓地に埋葬されましたが、1992年に遺灰がワルシャワに持ち帰られ、ワルシャワヨハネ聖堂の地下霊廟に埋葬されました。

 最後に演奏された奈良さんのムソルグスキ「展覧会の絵」は圧巻でした。全曲通してピアノ曲として聴いたのは初めてでしたが、これほど多彩で力強い曲だったとは。この日は寝るまで満たされた気分が続きました。音楽の力って凄いです。

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