宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

社会心理学

 今日は社会心理学の2回目の授業です。社会心理学社会学と心理学が合流したような分野です。心理学ですから、個人の心理領域に関する分野ですが、社会学の流れをくむ社会学社会心理学と、心理学の流れをくむ心理学的社会心理学が最初は並立していたようです。その後社会心理学の実験化が進んで、個人の心理に注目する心理学的社会心理学が優勢になりました。人間の心理は、他人との関係や現代ではマス・メディアの影響を強く受けます。心の動きが生理的現象(汗をかく、心臓がどきどきする)とどう関わるかを研究する生理心理学を除いて、心理学は、個人とその社会行動や社会生活との影響関係を扱うと言っていいと思います。

 人間関係論という比較的新しい分野では、作業効率にどのような人間的要素が影響を与えるかを実験して、作業現場の人間関係の重要性を導き出しました。仕事における人間関係の比重の大きさは、経験的には語られています。自営業や家内工業のような仕事の場合、すでに人間関係は出来上がっているわけで、それはそれで問題をはらんではいますが、特に仕事と人間関係が問題視されることはなかったと思います。仕事場が新しい人間環境の形成である様な仕事の仕方は、確かに近代以降、日本では第2次世界大戦以降に急成長していったやり方です。1950年代初め、日本の50%以上は農業に従事していました。その他にも自営の商店も多かった。自営の商店への就職の場合は、基本その家のやり方に従って働く形をとったと思います。そこでの人間関係のいざこざは、女将さんが采配を揮う。対等な「他人」が集まり、職場環境を調整しながら共同作業という形態は、少なかったと思います。

 こう考えると、雇用労働者という形態が当たり前になっている現代の職場環境では、日々、同僚を含め他者との関係性の調整が大きな問題になっているわけです。今日はコミュニケーションの問題を扱います。対立管理の自分のタイプを知ることをやってもらい、そしてアサーションの基本的な考え方と実例を紹介します。

 

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