宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

介護施設とリハビリテーション

 明日はお彼岸のお中日です。今日、やっとお参りしてきました。彼岸に行けるかどうかは分かりませんが、いずれこの此岸からは去っていきます。高齢者の集まっている介護施設にいると、「早くお迎えに来てもらいたい」と利用者さん同士が話し合っている場面に頻繁に出くわします。今いるところは、リハビリテーションを看板に掲げている施設です。通常のイメージだと、リハビリは社会復帰を目指して行うものと捉えられていると思います。では、高齢者にとってのリハビリって何なのでしょう。

 リハビリテーションの語源はラテン語で、re(再び)+habilis(適した)という意味を持ちます。再び適した状態になること、機能低下した状態から回復することというような意味になります。1980年代のWHOなどの定義を見てみると、機能回復と同時に社会への復帰や参入を達成するあらゆる手段を包括すると言われています。1999年の「地域リハビリテーション支援活動マニュアルの定義」には「医療保険介護保険でのサービスのひとつであるとともに、技術であり、ひとつの思想でもあり」、同時に多角的なアプローチを必要としていると言われています。

 リハビリしてその先どこへ行くのか希望がないなら、あまりやる気にならない人もいるでしょう。高齢者にとって行きたくなるような場所とはどういうところでしょうか。私は、道の駅のような、高齢者にとっての情報提供と楽しさとくつろぎと、そして何かやりがいが提供される場がないかなあと考えています。極楽までの、彼岸までの「道の駅」。そこへ行きたいと思えば、高齢者にとってもリハビリは、張りあいのあるものになるのではないでしょうか。

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