宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

ミュージック・ケア

 ミュージック・ケアは日本語だと、音楽療法になります。リトミックと何が違うのか。リトミックをやったことがないので、体験的比較はできませんが、リトミックというとトモエ学園が思い浮かびます。トットちゃん(黒柳徹子さん)が出た学校として有名になりましたが、日本で初めてリトミック教育を取り入れた学校です。トモエ学園は、1937年に創設され、1978年に歴史を閉じました。トモエ学園の創設者は小林宗作で、「リトミックによる創造教育」を実践しました。

 リトミックは、19世紀末から20世紀にかけて、スイスの音楽教育家で作曲家でもあったダルクローズが生み出した音楽教育の手法です。身体と音を結びつけたリズム中心の訓練で、楽譜を読む基礎訓練ソルフェージュと対をなす音楽教育の基礎訓練と言われます。リトミックは、身体全体で音楽を味わうことから音楽を創造するという、教育的側面が強いのかもしれません。

 ケアとは何か。世話とか配慮、とまあ捉えていいかと思います。介護・看護・教育の分野では、ケアリングはそれぞれの本質に関わっています。ミルトン・メイヤロフは『ケアの本質』の序の部分で、「一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである」と述べます。そして、人だけでなく、観念や理想や共同社会をケアすることにも共通性があるとも言います。ケアとは一つの過程であり、関与の在り方であり、成長するものだとも。

 ミュージック・ケアは、年齢や身体状況に関わりなく、誰に対しても、心身に心地好い刺激を与えることで、人間関係や当人の心身状態に好循環を生み出すことを、目指しているようです。音楽を使って情緒の改善・安定を図り、運動感覚や知的機能の発達の援助をする。音楽といえば、古代ギリシアでも基礎教養として学ばれました。ピタゴラスプラトンも重視しています。どういう意味づけをされていたのか。そのあたりにも、興味が沸いてきました。

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音楽に合わせて色とりどりの布を振る     音楽と一緒に大きな布にボールや鈴を乗せて動かす

         (「子育てサロン かしの木クラブ」で)

h-miya@concerto.plala.or.jp