宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

アサザプロジェクト:湖と森と人を結ぶ霞ヶ浦再生事業

 昨日(12日)、「未来への風いちから」の春の福祉バス研修会で、予科練平和記念館 (阿見町)とアサザ基金アサザプロジェクト(牛久市総合福祉センター)の視察をして来ました。

 アサザプロジェクトには刺激を受けました。アサザプロジェクトは、霞ケ浦の再生は不可能と言われていた1990年代半ば、アサザ基金(代表飯島さん)のメンバー数人が霞ケ浦湖岸を休日に歩くことから始まりました。霞ヶ浦再生のヒントは霞ケ浦の中にあるはずと考えたからです。その通りですね。そして参加者の多くは小中学生だった。毎回のように参加する子どもたちも多く、彼らはこの調査を霞ケ浦のお宝探しと言っていた。素敵ですね。

 そのお宝探しの中で見つけたのが、アサザの群落の存在でした。アサザプロジェクトは単にアサザを育てて増やす運動ではありません。発想の転換、ネットワーク型社会への社会システム再構築の試みです。アサザプロジェクトは動的ネットワークであって、プロジェクト自体が自己増殖してゆく。アサザ基金は企画・提案をしますが、プロジェクトを管理運営しているわけではありません。なんかこの発想と動き、ドキドキしてしまいます。

 そして子どもたちとお年寄りの力を活用していることにも、納得です。今の社会で子どももお年寄りもお客様になってしまっている、その底力を活かしきれていない。その通りだと思います。子どもたちの感性と大人の知識が協働して総合化への道を開く、人生のファンタジー化。人間が何かを継続的行動に移してゆくには、理念のままでは足りない、物語化する必要があります。

 また総合化は「する」ものでなく、「起きる」もの、「場」の創出が必要だというのは、本当にそう思います。「場」とは単なる空間のことではありません。そして現在の市民参加はピラミッド型社会のままであって、行政主体に組み立てられていると思います。これを行政が参加する形のネットワーク型に変える必要がある。そしてそこにNPOが社会のホルモンとして役割を果たす。

 うーん、いろいろ考えさせられました。

h-miya@concerto.plala.or.jp