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宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

多数決原理と少数者の権利

 民主主義とは何か。民主主義、つまりデモクラシーは人民の権力を意味する古代ギリシア語のデモクラティア(人民の権力)を語源としています。この国家の統治形態としての民主制への評価は、古代ギリシア時代から対立していました。肯定的立場は、平等で最も正義に適うと評価しますが、プラトンは貴族制を擁護して否定的立場を取りました。この否定的立場は、民主制は民衆の欲望に振り回され、無政府状態や僭主の支配をもたらすと批判しました。

 民主主義は、市民一人ひとりが自発的に秩序を形成してゆくことです。多数決はそのための制度の一つに過ぎません。多様な立場や多様な利害関係、多様な意見が存在し、一緒に行動してゆくためには最終的には、多数決が必要になります。ただし、多数決がそぐわない問題があります。人権や公正さをめぐる問題はその最たるものでしょう。

 また多数決で決めるにしても、少数者の意見を最初から無視するのはもちろん間違っています。物事を決めるとき、少数者の視点がどのくらい組み込まれ、より多くの人が納得できる案になっているか。この合意型民主主義は欧州の多くの国が取り入れていると言われます。発展途上国ほど、民主主義体制の国でも「多数決型」の傾向が強い。

 確かに合意形成は、自分たちの身近な関係で考えても時間がかかるなあと思います。相手方の主張と自分たちの主張の落としどころを探ってゆかなければなりません。ただそれをせずに、数の論理で押し通してゆくと、不満が増大してゆきますし、数の横暴に陥ると思います。

                                  宮内ひさこ

h-miya@concerto.plala.or.jp