宮内寿子「おはなしのへや」

日々、思うこと。

生活の安全・安心

2015.9.2

 「政治の目的は、人間の社会生活から暴力を取り除くことである」(著者名を書き落としたメモです)と言った人がいます。昨日、70代の一人暮らしの女性たちの集まりでお話を聞く機会がありました。皆さんお元気で、趣味を楽しんで生き生きと暮らしてらっしゃいます。それでも、将来の不安を口にされました。

 アマルティア・セン(アジアで初めてノーベル経済学賞受賞)博士は2001年に設置された「人間の安全保障委員会」の議長を緒方貞子さんとともに務めています。

 「人間の安全保障」とは、「人間の生存や日々の生活の安全を脅かす不安、あるいは人が生まれもった尊厳を危うくし、病気や社会の害悪によって不安定な状況にさらす危険、さらに無防備な人びとが不況のせいで突如として貧困生活を強いられる状況など……<人間の安全保障>はこうした危険から人々を守り、エンパワーメントを求める」ものだと言われています。

 この人間の安全保障は、人間的発展の取り組みを補うものだとも言われます。人間的発展は、一人ひとりが自己実現を達成できるよう、教育や所得、衛生環境などを整備してゆくことを目指し、「人間的発展指標(HDI)」に反映されます。日本はこの指標は世界の中でも高いことは、以前にも書きました。

 人間的発展が成長と「公正な拡大」を目指すとすると、人間の安全保障の重点は、「安全な下降」を目指します。失業や成長過程に取り残された人々の慢性的に不安定な状況に真剣な目を向けることで、安全と安心の拡大になると主張されます。

 高齢社会・雇用の不安定化している社会ではこの視点は重要だと改めて思いました。

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